壁井ユカコ第9回 電撃ゲーム3大賞 入賞作品大賞 「キーリ 死者たちは荒野に眠る」 地球の名前も忘れられた遠未来の辺境宇宙、長く続いた戦争で荒廃し、荒野と砂漠と掘り尽くされた炭鉱しかないある惑星。十四歳の少女キーリは惑星を統べる〈教会〉の寄宿学校に通っている。霊感が強く死者の霊が見えることから、神の存在や教会の教義に疑問を抱いており、学校でも孤立している。冬の長期休暇の初日、旅の〈不死人〉の青年ハーヴェイと、その同行者である小型ラジオの憑依霊と知りあう。不死人は戦争で量産された不老不死の兵士であり、現在は教会に追われる身。自分と同じく霊が見える人間にはじめて出会ったキーリは彼らに興味を持ち、休暇を利用して勝手についていく。 行く先々で亡霊たちとの出会いと別れを経験しながらの鉄道旅行が続き、キーリは孤独な寄宿生活に戻るより、ハーヴェイたちとずっと一緒にいたいと思うようになる。 最初は迷惑がっていたハーヴェイもキーリに好意を持ちはじめるが、あてのない逃亡生活に巻き込む気はなく、最終的にはもとの生活に帰すつもりだった。教会兵の〈不死人狩り〉部隊に見つかり襲撃を受けた際、それを機会にキーリに別れを告げてひとりで逃げる。 キーリは教会兵に保護され寄宿舎に帰されるが、教会に縛られた日常にやはり違和感を覚えている。数日後、首都の神官を名乗る男が現れて、キーリを引き取りたいと申し出る。寄宿舎に残る理由も見つからず、半ば強制的に神官とともに旅立つことに。しかし、神官と一緒の列車で、逃げ切ったと思っていたハーヴェイが不死人の心臓である〈核〉を奪われて事実上殺されていたことを知る。 キーリはラジオの霊と協力して教会兵の装甲列車から〈核〉を取り返し、ハーヴェイを生き返らせるために行動を起こす。しかし、キーリの前に神官を名乗っていた男が立ちふさがり……!? 「キーリ II 砂の上の白い航跡 」 14歳の少女キーリと不死人・ハーヴェイ、そしてラジオの憑依霊・兵長は、約束どおりに“砂の海を渡る船”に乗ることに……。 乗船前、宿泊している町の海岸でキーリは、動いている3体の小さな人形達を見かけ、追いかけていく。その人形達が行き着いた先は、寂れた鍛冶屋だった。 その店に入ってしばらくして、様子が変なことに気づき帰ろうとするキーリ。しかし……!? 「キーリ III 惑星へ往く囚人たち」 “砂の海を渡る船”を降りたキーリと<不死人>ハーヴェイそしてラジオの兵長は、炭鉱の街に住むことに……。 キーリは初めてのアルバイト生活を楽しんでいたが、ハーヴェイはほとんどの時間をアパートの部屋で過ごしていた。 ――ある朝、アルバイトに出かけるキーリを狙うかのように、上の階からフォークが落ちてきた。 なんとか防いだハーヴェイは、フォークを落とした張本人の部屋に向かう。 しかし、そこは空き部屋になっていて――!? 「キーリ IV 長い夜は深淵のほとりで」 ハーヴェイが消えてから約一年半。 キーリは16歳に。 キーリと、ラジオの憑依霊・兵長そしてベアトリクスは、東サウスハイロで暮らしている。 ――ある日、ベアトリクスの情報筋からキーリの出生の手がかりが見つかったと聞き、ノースハイロ方面に向けて出発する。 旅の途中、ウエスタベリ教区のはずれの街トゥールースに着いたキーリ達は、また不思議な出来事に遭遇する。 そして、キーリの出生の手がかりとは!? ハーヴェイとの再会は!? 「キーリ V はじまりの白日の庭 (上)」 植民祭の季節。 不死人がいるという噂を聞いて、はぐれてしまったベアトリクスかも知れないと、キーリとハーヴェイ、そしてラジオの兵長はウエスタベリに向かう。 ハーヴェイの知り合いの興行団と出会い、彼らのキャンプを拠点にベアトリクス捜索を開始したキーリ達。 そんななか、キーリの前に予期せぬ人物が現れる! 新たな展開を見せる人気シリーズ第5弾! 「キーリ VI はじまりの白日の庭 (下)」 植民祭に沸くウエスタベリに滞在しながら、不死人・ハーヴェイ、ラジオの憑依霊・兵長とともにベアトリクスを捜索しているキーリ。 そんな中、強盗から助けてくれたある人物の家に行く事を決心したキーリは、その事をハーヴェイにも兵長にも告げず実行してしまい……。 新展開を見せる人気シリーズ、“はじまりの白日の庭”編、ここに完結! |